回想:育ちの故郷 かつて住み続けてきた下町の古い賃貸マンション

2年前、筆者が入院する前日に東京都荒川区の実家へ戻り一晩泊まった。実家は持ち家でもなく、購入マンションでもなく、普通の賃貸マンションである。この賃貸マンションの築年数を調べると1977年(昭和52年)なので、何と築43年も経つ。筆者は3歳の頃から29歳まで26年間、居残った両親は現在まで約40年も住み続けてきた。

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荒川区東尾久の古い賃貸マンションから親子全員退去まで

筆者は実母の故郷である福島県三春町で生まれ、育ちは東京下町の荒川区内であった。30代以降は結婚を機に初めて区外へ出た。荒川区から離れて今年で13年目、故郷を省みるように思いをありのまま記事を載せることにした。

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荒川区とはどんな街か?


都心からやや北東部に位置する荒川区は目立たない地味な区、基本的に静かな下町。だが、JR山手線・京浜東北線、常磐線、東京メトロ千代田線・日比谷線、京成電鉄、舎人ライナー、東京さくらトラム(都電荒川線)などが通り、都心までのアクセスは便利である。荒川区は100円ショップ、コンビニエンスストア、ドラックストア、スーパーマーケット、昔ながらの商店街もあり、食料品・日用品の買い出しにも困らない。また、物価も安くて、そこそこ治安も良く、高齢者やファミリー世代にとって住みやすい街だと思う。

西武新宿線・池袋線所沢駅(埼玉県)の商業施設エミオ所沢内にあるスターバックス(2018年9月上旬頃個人撮影)

ただ、荒川区にはファッションなどの専門店が少ないので、電車に乗って近隣の繁華街などへ足を運ぶ必要がある。もう一つ個人的に気になるのは、都内23区に限り、何故か荒川区だけはスターバックスはない。筆者が今住んでいる埼玉県所沢市やすぐ近隣にある東京都清瀬市のような畑や自然残る郊外でさえスターバックスがあるのに、荒川区だけがないのは謎である。その代わり、面積の小さい荒川区は交通便利であることに幸い、すぐ近隣にある北区のJR田端駅アトレ内、隅田川を超えた足立区の北千住駅ビルまで足を運べば特に困らないといったところだろう。

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育ちの故郷 尾久(おぐ)地域

荒川区内の地名は「町屋(まちや)」、「荒川(あらかわ)」、「東尾久(ひがしおぐ)」、「西尾久(にしおぐ)」「西日暮里(にしにっぽり)」、「東日暮里(ひがしにっぽり)」、「南千住(みなみせんじゅ)」のみである。そのうち西尾久・東尾久の尾久地域について語りたいと思う。

ちなみに、荒川区東尾久・西尾久の読みは「おぐ」というが、JR上野東京ライン・宇都宮線・高崎線の尾久駅(おくえき)は、荒川区ではなくて近隣の北区昭和町にあるので「おく」と読み区別をしている。尾久地域は個人商店や町工場が残りつつ住宅街、北部には隅田川沿い遊歩道・公園もあるのが特徴である。治安の方も尾久警察署があるので安心して暮らしやすい。

東尾久


さて、筆者はかつて幼少期から独身の頃まで東尾久に両親と3人で暮らしていた。住まい周辺は頻繁に舎人ライナーが走る尾久橋通り、ちょっと歩くとおぐ銀座、尾久本町通り、熊野前とそこそこ栄えた商店街がある。そこをもう少し北上すると都電通り、さらに隅田川のそばに原公園もある。だが、決して特にこれといった目立った地域ではない所に実家がある。

実家といっても古い賃貸マンションの一室(2DK位)である。ご覧の通り、築43年なので部屋も古く、両親は今でもここで毎月8万円くらいの家賃、さらに2年毎の更新料を支払って暮らしている。一昨年、筆者がここへ戻ってきた時は懐かしさと同時に環境悪化で心も痛めた。とにかく、キッチン、風呂場、水場、トイレ、部屋はますます老朽化、子供の頃からあった大木の一枚テーブルも長年の強い西日によって白く変色してしまっていたこと、バルコニーからの景色もモノレールで丸見え、かつて見えた池袋サンシャインや遠くの新宿副都心なども、大通りのマンション群によって遮れてしまった。玄関ドアの廊下からも次々建ったマンションにより、夏の千住花火も全く見えなくなってしまった。このような悪くなった環境住まいで高い家賃を払い続けてる両親にとってもう限界の頂点に達しているのではないかと感じる。筆者は神様に一日も早く両親のために安くて環境の良い住居が与えられるよう祈り求めた。すると、2年以内に祈りが聞かれ、両親の長い苦しい賃貸マンション暮らしにピリオドを打つことに。

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

ちょうど令和へ新しい時代と共に、両親にもようやく転機が訪れた。それは高齢者用区営住宅が当選し、区内の新しい住居へ引っ越しすることになった。同じ賃貸マンションで長過ぎた40年間、これまで支払ってきた家賃の総額とは、余裕で大きな家を購入出来るほどの額であろう。だが、親は会社員ではなかったので、一軒家などを買う住宅ローンを組むことはとても難しかったであろうと。けれども長く住み続けてきた東尾久の賃貸マンション、筆者自身は13年前にここを出たが、ついに両親も退去する時が来たのである。

西尾久


両親のこれからの住まいは東尾久から西尾久へ移ることになる。西尾久は荒川区の最西端にあり、北は隅田川を挟んで足立区、東を東尾久、南および西を北区と隣接している。西尾久といえば、子供の頃の楽しい充実した思い出が多くある。幼児の頃は西尾久の区立保育園に通っていた。保育園の上はレンガ造りの大きな都営住宅であり、お庭は広くて十分運動会が出来るスペースだった。保育園の周りは緑に囲まれ、公園や遊歩道があり、ちょっとした都会のオアシスである。保育園の近くには小台銀座商店街があり、商店を北上して抜けると都電通りに出る。そこに小台停留所がある。西尾久の交通手段は東京さくらトラム(都電荒川線)が主であり、徒歩10分以上には北区の明治通りにあるJR尾久駅、小台付近から都バスに乗って10分ほどにJR田端駅がある。小学生の頃は休日は熊野前停留所から都電に乗り、よくあらかわ遊園地へ遊びに行っていた。夏は遊園地のそばにあるプールへ泳ぎに行き、秋はローラースケート場に変わり、そこでスケートも楽しんだ。

東尾久は特に何もないが、西尾久はあらかわ遊園地、隅田川の水上バス乗り場がある。あらかわ遊園地は大規模なリニューアル工事のため現在は休園中である。2021年夏にはリニューアルオープン予定であり、リニューアル後は施設がさらに拡大し、乗り物も更新、夜はLEDによるイルミネーション演出が予想され、今まで17時(日曜など18時)までの営業時間を20時まで延長しようと検討されているようだ。東尾久と西尾久は何となく雰囲気が異なる感じがする。荒川区の最西端にある西尾久は、北区と入り組んでいる。あらかわ遊園地・荒川車庫前付近はほとんど北区掘船(ほりふね)となる。もう少し西方向へ進むと王子・飛鳥山へも近い。

両親の引っ越し祝い後、いつか、リニューアル後のあらかわ遊園地へ是非行きたいと思う。

ブログを見てくださりありがとうございました。
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